2016年2月15日月曜日

MSCTを用いた気道及び咽頭部軟組織の三次元評価

·    MSCTを用いた気道及び咽頭部軟組織の三次元評価
歯科領域で閉塞性睡眠時無呼吸症候群治療を行っている成人患者に対して、装置装着時の仰臥位における上気道および咽頭部軟組織を医科用CT撮影で撮影し3次元評価法を確立した。この方法は、スライス間隔1.0mm、スライス幅は軟組織部で1.0mm 、骨組織部で0.5mm撮影範囲は前頭洞から鎖骨まで撮影し、3DCT再構築画像を作成した。その画像を元に、後鼻棘、軟口蓋先端、喉頭蓋基底部を通る位置にて前後径、幅径、断面積を計測し、我々が臨床実用化に成功した新しい口腔内装置装着後に各部位で気道の拡大が認められ、AHI改善の裏付けが科学的に立証された。




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矯正歯科治療とは、悪い歯ならびやかみ合わせに対し、人為的に歯を動かすことで、きれいな歯ならびを獲得する科治療です。しかしながら、治療中に生じる歯の痛みの問題や、治療期間が長期に渡る点が問題点として挙げられます。

 我々の研究グループでは、レーザーが歯の周囲組織の代謝を促進させる効果について検討するとともに、レーザーの併用により、 効率的に歯の矯正歯科治療が達成され, 痛みの緩和が出来るか否かを検証しています。そして、最終的にはレーザーを応用した新規矯正歯科治療法の確立を目指しています。


 


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2016年1月29日金曜日

歯根吸収の発症機序の解明と治療法の開発


矯正歯科治療に伴う歯根吸収は臨床上きわめて重大な問題である。矯正歯科治療中に生じる歯根吸収は治療を行った患者の86.4%に見られると報告されており、重症化すると歯の動揺をきたし、歯周組織が安定するまで治療中断や、治療計画の見直しを余儀なくされる場合もある。歯根吸収が発現する原因については、これまでにも多くの報告があり、全身的要因、歯の移動の力系、治療期間、年齢、歯根形態、歯槽骨の骨密度、口腔習癖などが検討されているものの、未だ明確な結論には至っていない。

当科では、開咬などの低機能歯、歯に対して繰り返し揺らされるような力(ジグリングフォース)、あるいは根尖部歯髄組織への伸展刺激が炎症性サイトカインの産生と破骨細胞誘導を促進し、歯根吸収が惹起されることを明らかとしてきた。さらに、矯正歯科治療時における歯根吸収を炎症と捉え、抗炎症剤の投与が歯根吸収に及ぼす効果の検討を行い、歯根吸収の予防、あるいは抑制が可能となるよう、研究を進めている。


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2016年1月27日水曜日

睡眠時無呼吸症候群に対する新型口腔内装置の臨床実用化に向けての研究

·    睡眠時無呼吸症候群に対する新型口腔内装置の臨床実用化に向けての研究

閉塞性睡眠時無呼吸症候群治療用の下顎可動式オリジナル口腔内装置と、従来から広汎の下顎固定式装置をそれぞれ睡眠中に装着した後、翌朝の口腔内撤去から2時間までの顎口腔機能に与える影響を精査、比較した。その結果、咬合力、咬合接触面積、咬合重心の変化、歯の動揺度、咬合時の歯の痛み全てにおいて、下顎可動式の新しい装置が有意に早い回復を示した。このことから、永続的に使用する必要がある口腔内装置は、下顎可動式の方が歯列への副作用が短期的に少ないことが証明され、このことがこれまで問題視されてきた口腔内装置使用が引き起こす歯列・咬合の永久的変化を遅らせる可能性を示唆したと結論付けている。



 

 
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歯根吸収の発症機序の解明と治療法の開発


歯根吸収の発症機序の解明と治療法の開発

1.歯根吸収について

 

矯正歯科治療とは、歯を移動させることにより悪い歯ならびや咬み合わせを修正し、咀嚼機能と審美性の向上をはかる歯科治療である。しかしながら、矯正歯科治療上のリスクとして、歯根吸収を引き起こす可能性が挙げられ、矯正歯科治療に伴う歯根吸収は、治療を行った患者の86.4%に見られると報告されている。

歯根吸収の原因は多岐にわたり、発現機序の詳細は未だ解明されていない。歯根吸収発現の原因究明と発現を少しでも減らせるような方法の確立を目指している。
 


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遺伝性エナメル質形成不全症の病態解明とバイオミネラリゼーションによるエナメル質修復に関する研究


遺伝性エナメル質形成不全症の病態解明バイオミネラリゼーションによるエナメル質修復に関する研究 -エナメル蛋白の生理活性機序の解明とペプチド創薬への試み-
 
初期むし歯は、歯の表面に存在するエナメル質ミネラル成分を失った病態として知られています
しかしながら、初期むし歯に対して、これを確実に元の状態に修復する有効な治療法はありません ( 1)
我々の研究グループは、歯の形成に関与している蛋白質(エナメル蛋白)に注目し、エナメル質形成不全症の病態解明とエナメル質修復に関する研究を行っています。
また、エナメル蛋白の一つであるアメロゲニンの生理活性機序の解明を行い、活性部位を探索することで、ペプチド創薬への試みを目指しています。
 
この様にエナメル蛋白質を様々な面から検討を行い、エナメル蛋白質の有用性と機序の解明を探索しています。

 

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2016年1月26日火曜日

組織および細胞の長期凍結保存法の検討


組織および胞の凍結保存法の

 

 組織や細胞の長期保存には一般的に凍結保存が用いられる。凍結保存は半永久的な保存が期待できる理想的な方法であり、これまでに胚細胞、精子、骨髄、皮膚、副甲状腺、骨組織、軟骨などの細胞や組織の凍結保存が報告されている。

 一方、凍結した細胞の解凍後の生存率に大きく影響する因子として、凍害が挙げられる。凍害とは、生体組織の凍結時に、細胞内外の浸透圧が変化すると同時に細胞内に存在する水分子が不均一に結晶化し、クラスターを形成することにより細胞膜が破壊される現象である。この凍害によって細胞や組織が破壊されてしまい、解凍後の生存率の低下を起こしてしまう。

 そこで、凍害を防止するために、凍結時に磁場を付与し、細胞内外の氷晶形成を阻害するcells alive systemCASが食材の細胞壁破壊防止に成功している。我々は、このCASを利用することにより、歯根膜細胞の凍結保存の研究を行い、歯の凍結保存が可能となった。このことにより、将来、虫歯や事故で歯を喪失した場合に凍結保存していた歯を移植することができるようになった。
 現在、我々はMSCsの凍結保存においても良好な結果を得ており、今後、より安全性が高く、生存率が高い様々な細胞や組織の凍結保存の確立を目指している。


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